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原爆症認定と被爆者の救済に関する意見書(9月30日)

ページ番号:281024250

更新日:2008年10月1日

 広島・長崎両市への人類がかつて経験したことのない原子爆弾の投下により未曾有の被害がもたらされ、多くの尊い生命が奪われた。63年余が経過した今日においてなお、多くの被爆者が後遺症に苦しみ、精神的苦痛を抱え不安な日々を送っている。
 大田区においては、このような惨禍が二度と繰り返されることのないよう昭和59年に平和都市宣言を行い、世界の恒久平和と人類の永遠の繁栄を願ってきたところである。
 原爆症の認定をめぐっては、国による総合的な被爆者への援護対策は講じられてはいるものの、認定却下処分の取消しを求めて各地で集団訴訟が提起されている。
 こうした状況の中、厚生労働省は本年4月より従来の「原因確率」による審査を改める新たな基準による認定を開始し、以前に却下した申請についてもあらためて原爆症と認定するなど、改善の動きも認められる。
 しかしながら、新基準の下でも一部の被爆者が認定対象から外れるなど、被爆者救済を最優先する視点に立っているとは言い難い。新基準運用後の司法判断となった仙台・大阪の両高等裁判所においても、認定対象から外れた原告が原爆症と認定されるなど、国の基準を上回る判決が出され、依然として広範な被爆者救済を国に求める結果となっている。被爆者の高齢化が進む中、救済には一刻の猶予も許されない。
 よって、大田区議会は国会及び政府に対し、原爆症認定制度を「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」の立法の趣旨である救済の精神に則り、認定基準の見直しをはじめ原爆被害の実態に即した制度に改善し、被爆者の救済について適切な対応を図るよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

                                                               平成20年9月30日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣   
総務大臣
厚生労働大臣 あて
                                                                大田区議会議長

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