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「御遺体保管所」を業として行うものに関する法整備を求める意見書(12月6日)

ページ番号:956150508

更新日:2011年12月6日

 本年10月、大田区内において遺体を火葬場に搬送するまでの間、冷蔵保管することを業とする「御遺体保管所」と称する施設が地域住民に説明もないまま、営業を開始するという事態が生じている。
 この施設が開業した地域は、住宅の他、商店、病院、保育園及び学校等があり、これまで住民が平穏な生活を営んできた所である。今回、このような街中に降ってわいたように「御遺体保管所」ができたことによって、通学路でもある道路を霊柩車や寝台車が日常的に行き交い、遺体が昼夜の別なく出入りすることになった。
 こうした地域において、遺体を保管する施設を営業し、遺体の搬出入を行うことは住民の宗教的感情と相容れないものであり、公衆衛生や交通安全面からも大きな不安を与え、地域住民の平穏な生活を脅かす状況となっている。
 本来、このような葬儀に関連した行為については、火葬若しくは埋葬又は火葬場、墳墓、墓地若しくは納骨堂についての基準等を定めた「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年法律第48号)において規制されて然るべきものである。
 しかしながら、同法においては遺体となってから火葬又は埋葬までの間の保管方法及び業としてこれを行うことについては何等規定がなされていない。
 一方、保管という行為から「倉庫業法」(昭和31年法律第121号)による規制をみると、同法施行規則運用指針により、『ある営業行為の一部を取り出してみると「保管」といいうる場合でも、全体としてみると、「供養」等他の行為であると認められる営業形態は、倉庫業ではない。』とされている。このため、遺体の保管は同法の適用から除外され、営業登録などの規制を受けず自由に営業ができる状況となっている。
 こうしたことから遺体保管を目的とする営業等については、そのニーズがある一方で、生活環境との調整を図る必要性が認められるため、大田区議会は、政府に対し、適切な法整備を早急に求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

                                                              平成23年12月6日
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣  宛
                                                               大田区議会議長

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