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地方税財源の拡充に関する意見書(10月9日)

ページ番号:373717880

更新日:2015年10月13日


 住民福祉の増進等に責任を負う地方自治体においては、地方がその責任と権限に応じた役割を果たせるよう、地方税財源の拡充を図る必要がある。
 しかし、国は、平成26年度税制改正において、地方法人特別税・地方法人特別譲与税を継続するとともに、地方消費税率の引上げにより、地方自治体間の財政力格差がさらに拡大するとの理由から、地方の貴重な自主財源である法人住民税の国税化を新たに導入した。また、消費税率の10パーセントへの引上げ時には、これをさらに進めることとした。
 6月末に決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」においても、「地方の税収増が見込まれる中、『税制抜本改革法』を踏まえ、地域間の税源の偏在を是正する方策を講ずる」とされており、法人住民税の国税化の更なる拡大や他の不合理な偏在是正措置の導入が危惧される。こうした措置は、地方税財源の拡充につながらず、地方の自立そのものを妨げ、地方分権の流れに逆行するものである。
 大田区では、国家戦略特別区域制度を活用した、未来に向けたまちづくりや、オリンピック・パラリンピック開催に向けた国際都市おおたの推進が喫緊の課題となっている。住民の暮らしや企業活動を支えるため、子育て・教育環境の整備や福祉・医療の充実などはもとより、高度成長期に全国に先駆けて建設された公共施設の維持・更新、防災力の強化、大田区産業の発展に向けた産業振興対策など、大都市特有の膨大な財政需要が存在しており、税収増のみに着目して、財政的に富裕であると断ずることは適当でない。
 地方自治体が責任を持って充実した住民サービスを提供していくためには、需要に見合う財源の確保が不可欠であり、地方財政が抱える巨額の財源不足という問題は、限られた地方税財源の中での財源調整では根本的な解決を図ることはできない。
 よって、大田区議会は、国会及び政府に対し、地方税の根本原則をゆがめる地方法人特別税・地方法人特別譲与税と法人住民税の国税化を直ちに撤廃して地方税として復元するとともに、不合理な偏在是正措置を新たに導入することなく、地方が担う権限と責任に見合う地方税財源の拡充という本質的な問題に取り組むよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
                                                               平成27年10月9日
 
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣   
総務大臣
財務大臣
社会保障・税一体改革担当大臣
経済財政政策担当大臣
地方創生担当大臣        宛
                                                                大田区議会議長

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