令和元年第4回大田区議会定例会 区長開会あいさつ

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更新日:2019年11月27日

令和元年11月27日

 本日、令和元年 第4回大田区議会定例会を招集申し上げましたところ、ご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 この度の台風19号・21号により、亡くなられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 冒頭に、台風19号への区の対応等についてご報告いたします。
大型で猛烈な勢力の台風19号が関東地方に上陸する恐れが高くなった先月11日、私を本部長とする災害対策本部を設置して、総力を挙げて区民の皆様の安全確保に取り組むことといたしました。同日午後1時に、自宅で過ごすことに不安を感じる方に対して区内21施設に自主避難スペースを設け、午後3時には区立小中学校10校に水害時緊急避難場所を開設して、避難者の受け入れを始めました。翌12日の土曜日には、呑川が氾濫した場合に備えて新たに2つの水害時緊急避難場所を開設するとともに、交通機関の計画運休に伴う帰宅困難者向けの一時滞在施設を設けました。台風19号では合計で53の施設で約1万2千人の避難者の受け入れを行いました。また、避難情報に関しては、多摩川の水位上昇や天候状況、日没の時間などを踏まえ、「避難準備・高齢者避難開始」のほか「避難勧告」、さらには「避難指示」も発令いたしました。
 区内の被害状況でございますが、田園調布4丁目、5丁目等において、600戸を超える浸水被害が発生し、国や都の協力のもと消防、警察、自衛隊と緊密に連携して浸水地域内の孤立者16名を救助しました。区は、被害に対応するため、災害対策本部体制の解除後、「台風19号による浸水被害等緊急対策本部」を設置し、被災地域における災害時要配慮者の安否確認、災害廃棄物の収集、消毒薬の配布や散布、罹災証明書の手続きや見舞い金品の支給など、各種の被災者支援を行ってまいりました。加えて、今回の被災に関する生活支援や住宅リフォームなど、様々なご相談をお受けする被災者専用相談窓口を10月16日から27日まで開設し、400件を超えるご相談に対応してまいりました。先月19日には、台風が上陸した同月12日に遡って、台風19号に伴う災害救助法の追加適用を受けました。当該制度の内容を踏まえつつ、区は被災された方々への支援に現在も取り組んでおります。このほか今月5日には、本区では初めてとなる「大田区義援金」の募集を開始するとともに、今週の日曜日の24日には、田園調布特別支援学校で「台風19号における被害報告及び被害者支援制度等の説明会」を開催しました。説明会には約470名の方々にお越しいただき、区内の被害状況や被災された方に対する各種支援制度、この間、関係機関と取り組んできた浸水被害の調査・検証状況について、ご説明させていただきました。
 災害時に備えた日ごろからの自治体間連携についても、今回の台風対応では成果を発揮しました。区では緊急時対応における住民の方々のご不安や混乱を少しでも減らす取り組みとして、災害時における近隣自治体との情報交換を行っております。例えば、今回の多摩川の水位上昇による避難指示発令については、川崎市と連携することによって発令のタイミングを合わせました。また、多摩川の治水対策について、ソフト・ハード両面を含め、川崎市、世田谷区と検討を行っており、国に対しても共同で要望をしていく予定です。
 区は今後も、被災された方々が、一日も早く普段の生活に戻れるよう全力で取り組んでまいります。この度の台風19号の対応において明らかとなった課題等への対策を踏まえ、全庁一丸となって大規模自然災害に備えるとともに、区の防災力の一層の向上を強化してまいります。

 先月22日に、天皇陛下がご即位を公に宣明される「即位礼正殿の儀」が行われ、今月10日には「祝賀御列の儀」として、天皇皇后両陛下のパレードが実施されました。「即位礼正殿の儀」では天皇陛下から、「国民の叡智とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします」というお言葉がございました。
 我が国の一層の発展のため、地方自治体は、人々が暮らし働くそれぞれの地域において、その魅力や活力の向上を図るべく、地域の多様な主体としっかりと連携して政策を進めていくことが重要であると考えます。一方、「平成」から「令和」へと、新たな時代は、人口減少や高齢化が更に進むと見込まれています。国立社会保障・人口問題研究所が平成29年に公表した「日本の将来推計人口」では、令和47年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は38.4%に達すると推計しております。人口構造の変化は、行政運営のみならず社会のあらゆる分野に大きな影響を及ぼすとされております。一方、AIをはじめとしたデジタル技術はめざましい進歩を遂げており、産業・経済はもとより、我々の生活を一変させる力を秘めています。
 区は引き続き、加速度的に進む時代の変化を捉えつつ、持続可能な行政運営の確立に向けて、防災、福祉の向上や健康増進、産業振興、子育て、教育環境の充実など、様々な分野で力強く施策を推進してまいります。

 先程、社会の変化について申し上げましたが、昨今、労働市場において人手不足が深刻化しております。本年9月に公表された「令和元年版労働経済の分析」で、人手が過剰と考えている企業の割合から、人手が不足と考えている企業の割合を差し引いた値である雇用人員判断DIは、2019年3月の調査でマイナス35%ポイントとなり、1990年代初頭のバブル期に次ぐ人手不足感になっていると述べております。こうした問題への対応のひとつとして、女性・高齢者・外国人等の更なる活躍、働き方改革の推進などが重要となっております。働き方改革に関しては、「令和元年版労働経済の分析」の中で、安心して快適に働ける「働きやすい」職場環境は、人にとって「働きがい」がある場で、「働きがい」の向上により、定着率に加え、従業員のストレス・疲労感、労働生産性、顧客満足度等が改善する可能性があると述べられております。
 本区は、平成29年2月にスマートワーク宣言を行い、この間、様々な取り組みを進めております。引き続き、誰もが活躍できるまちの実現に向け、職員が高い意欲をもって業務に臨み存分に力を発揮できる、働きやすい環境整備を様々な視点から検討してまいります。このことが、区民サービスのさらなる向上につながるものと考えます。

 本年10月に、「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行されました。我が国では、食べ残し・売れ残りなどにより発生した食品ロスの量が年間600万トンを超えていると言われております。同法の前文では、「世界には栄養不足の状態にある人々が多数存在する中で、とりわけ、大量の食料を輸入し、食料の多くを輸入に依存している我が国として、真摯に取り組むべき課題である」と述べられております。
 本区におきましては、これまで6回フードドライブを行い、合計で約1.6トンの食品を区民の方々から提供していただきました。集めた食品は、ひとり親家庭を対象としたフードバンクや子ども食堂等で活用していただいております。さらに区は、区内事業者等からの未利用食品を区内福祉団体などに届ける「地産地消型未利用食品マッチング」や、小中学生を対象にした「食品ロスに関する出前授業」、食品ロス削減に取り組む飲食店等をPRする「大田区食べきり応援団」を実施しております。
 今後も、持続可能で快適な環境都市の実現をめざし、さまざまな取り組みを積極的に進めてまいります。

 その他、区政の諸点につきましてご報告を申し上げます。
 「2019年版中小企業白書」におきまして、我が国のハイテクノロジー産業の輸出額が緩やかに減少している中、中小企業には「研究開発などによって得られた技術力を源泉にグローバル展開を目指し、我が国経済を牽引する役割を担うことが期待される」と述べられております。また、「必ずしも自社のみの経営資源に依存することなく、外部と連携しながら研究開発を行うケースも増えつつあり、この流れは中小企業にとって追い風になると考えられる」とも言われております。
 本区では、共同研究・開発先等を探す「出展者」と技術革新をめざす「来場者」が出会う場を提供する「おおた研究・開発フェア」を毎年実施しております。今年度は、10月24日、25日の2日間、大田区産業プラザにおいて開催いたしました。区内外の企業、大学、高等専門学校及び研究機関あわせて約100団体が出展し、1,500名を超える方にご来場いただきました。会場では、ライフサイエンスやヘルスケア分野などの新産業分野との連携、次世代産業分野における産学連携や技術開発など、具体的な目的をもった多数の出展者と来場者との打ち合わせや情報交換が活発に行われました。今年度は大田区産業振興協会のコーディネーターによる「技術相談コーナー」を新たに設け、来場者の方々に向けて研究開発のパートナーとしての大田区企業を幅広くPRいたしました。
 今後も、次世代の研究・開発テーマを、この「おおた研究・開発フェア」などで紹介・発信し、区内企業の次世代産業への進出促進を図ることで、区内産業の競争力の一層の強化につなげてまいります。

 続いて、福祉分野についてご報告をいたします。
 国の高齢社会白書では、65歳以上の認知症患者数の推計について、2025年には高齢者の約5人に1人に増加すると述べております。また、警察庁の統計によりますと、認知症または認知症の疑いにより行方不明になった方の届出数は増加しており、昨年1年間における全国の届出数は約17,000件にのぼっております。
 このような背景のもと区は、ご家族の依頼を受けて行方不明認知症高齢者の情報をメールで配信し、早期発見・保護につなげるための「高齢者見守りメール」事業を平成29年度から実施しております。10月30日には、このメールも活用した「高齢者見守り訓練」を萩中地域で実施し、地域住民の方など、約40名が参加されました。この訓練は昨年度の蒲田駅西口エリアでの実施に引き続き今回で2回目の開催となり、訓練に際しては地域の自治会連合会をはじめ、民生委員児童委員、商店街、シニアクラブの方々にもご協力いただきました。また、今回は新たに認知症グループホーム職員や認知症サポーター養成講座の受講者にも参加していただきました。訓練に参加された方からは、「認知症の方への声かけ等の理解が深まった」「相手の答えを急がせず、寄り添って対応することが大切」などといった感想をいただきました。
 区は今後も、ご高齢の方が住み慣れた地域で、安心して暮らせるまちづくりを着実に進めてまいります。
 今年は、3年に一度の民生委員児童委員の一斉改選の年にあたります。大田区民生委員児童委員委嘱状伝達式を12月11日に行い、厚生労働大臣からの委嘱状をお渡しする予定です。民生委員児童委員の推薦の際には、推薦準備会委員である議員の皆様をはじめ、自治会・町会など関係者の皆様にご尽力いただきました。この場をお借りしまして、厚く御礼を申し上げます。
 引き続き、民生委員児童委員と連携して地域福祉の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。

 最後に、中央防波堤埋立地の帰属について、ご報告いたします。昨日、本区と江東区との境界について、総務省から告示されました。現在、当該地において江東区が暫定的に担っていた特別区が行う各種事務のすみやかな移管などに向けて、全庁的に取り組んでいるところでございます。
 今後は本区への編入や町区域の新設など、議会への関係議案の提出も含めまして、事務を適切に進めてまいります。

 本定例会に提出いたしました案件は、令和元年度一般会計補正予算案第4次のほか、条例議案17件、その他議案10件、報告議案4件でございます。一般会計補正予算案第4次は、台風15号・19号により発生した被害へ対応するための予算となっております。補正予算案の規模は12億1,330万円となり、既定の予算と合わせた補正後の予算額は、2,914億4,706万4千円となっております。
 提出議案につきましては、いずれも後ほど上程の際、順次ご説明させていただきますので、よろしくご審議を賜りますようお願いを申し上げ、招集のごあいさつとさせていただきます。
 ありがとうございました。

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