令和3年第1回大田区議会定例会 区長開会あいさつ

ページ番号:794105363

更新日:2021年2月16日

令和3年2月16日
 
 本日、令和3年第1回大田区議会定例会を招集申し上げたところ、議員の皆様のご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 本定例会の開会にあたり本年における私の区政運営に関する施政方針を申し上げます。
 はじめに、先週13日に福島県沖を震源地とする最大震度6強の地震が発生しました。区の友好都市である東松島市においては最大震度5強が観測され、被害が生じたことから私は東松島市長に直接お電話し、被害状況を確認するとともに一日も早く安定した生活が戻るよう心よりお見舞いを申し上げました。さらに長井市、美郷町にもご連絡をさせていただきました。今回の震災で被害に遭われた皆様に改めてお見舞い申し上げるとともに一日も早い復興をお祈り申し上げます。
 次に、新型コロナウイルス感染症についてでございます。
 まずは、このコロナ禍において、感染の不安と闘いながらその職責を果たしていただいている医療従事関係者をはじめとしたエッセンシャルワーカーの皆様に改めて心から感謝申し上げます。
 世界の感染者は1月28日に1億人を超え、我が国においては、1月に入り、一日当たりの新規感染者が連日過去最多を更新するなどし、2月11日に41万人を超えました。区においても、1月には感染者が1日で100人を超す日もあり、2月15日現在、感染者は累計で5,895人となっております。冬を迎え、気温の低下や乾燥の影響などから感染が再拡大し、東京都の新規感染者の増加などを踏まえ、政府は、1月7日に1都3県を対象に緊急事態宣言を再び発出いたしました。その後、1月13日には大阪、兵庫など7府県に対して発出した後、2月2日に栃木県を除く10都府県の緊急事態宣言を3月7日まで延長いたしました。
 私は、区内の感染が拡大していることや緊急事態宣言の再発出などを受け、直ちに区民の皆様に不要不急の外出自粛の要請や改めてのマスクの着用等をお願いする動画を配信したほか、広報車による広報活動を実施しました。また、区施設の利用時間等を制限させていただくなど感染拡大防止に取り組んでまいりました。さらに、年末年始においても新型コロナウイルスに関する区民の皆様からの相談などにしっかり対応するため、延べ155名の保健師などの職員体制で1,250件を超える電話対応などを行いました。引き続き、区民の皆様、事業者の皆様におかれましては、ご自身、そしてご家族の命を守るため感染拡大防止にご協力いただきますよう改めてよろしくお願い申し上げます。
 今月9日、小池都知事が、日々、新型コロナウイルス感染症対策に奮闘している大田区保健所職員の激励のため、本区においでになりました。その後、ワクチンの接種体制などについての意見交換を行い、円滑な接種のため東京都とより一層の連携を図っていくことを私が直接確認をいたしました。
 現在、アメリカやイギリスなどで新型コロナウイルスのワクチン接種が行われており、今月14日には我が国初となる新型コロナウイルスのワクチンとしてファイザー社製のワクチンが特例承認され接種の準備が進められております。2月17日にも始まる医療従事者を対象にしたワクチン接種に続き、区では高齢者などに、順次、接種ができるよう国・東京都と連携し全力で取り組んでまいります。
 健康政策部の感染症対応やワクチン接種体制を整えるため、産業経済部は今月15日より一時的に産業プラザPiOに移り執務をいたしております。急な移転にもかかわらず、ご理解を賜りました議員の皆様をはじめ、関係各位に感謝申し上げます。引き続き、全庁一丸となって新型コロナウイルス感染症への対応を行ってまいります。
 そのほか、区政の諸点につきましてご報告申し上げます。
 今回の年末年始におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大状況も踏まえ、区は居場所を失った方や生活に困窮した方への迅速な対応が必要と判断いたしました。このため、年末年始の期間中、連日午前9時から午後5時まで蒲田生活福祉課に生活相談ダイヤルを開設し、区職員7名で対応にあたりました。 期間中、電話による生活相談のほか、直接お越しいただいた方には生活状況を伺い、生活保護の決定や住居確保給付金の申請受理などの対応をしました。今後も、日々の生活に不安を抱えている区民の皆様に寄り添う支援を行ってまいります。

 次に産業経済分野について申し上げます。
 大変厳しい経営状況に置かれてきた区内飲食店やものづくり企業、中小事業者などをはじめとする区内産業全体が、緊急事態宣言の再発出により、現在さらに深刻な状況に置かれております。全国的な新規感染者の増加という、未曽有の危機的状況の中、区はこれまで限りある経営資源を効果的かつ効率的に再配分し、緊急経済対策として重点的に財源投入するなど国や東京都と連携しながら取り組んでまいりました。全国でもトップクラスの融資あっせんによる全額利子補給制度は現在も継続中で、今月15日現在、あっせん数は3,760件を超え、あっせん総額は約760億円にまで達し、これに伴う区の後年度財政負担は現時点で約50億円にのぼると見込んでおります。産業経済費全体の今年度当初予算額が約56億円であったことからも、この間、短期間で大規模な緊急経済対策を講じてきたものと自負しております。そのほかにも東京都が実施した飲食店等への営業時短要請に連動した区独自の給付金の支給や感染拡大に伴う営業環境の改善等に取り組む店舗や商店街への支援、さらには急遽実施したプレミアム付地域商品券事業では、地域の特性に応じて発行できるよう主体を商店会ごととするなど、地域経済の状況に寄り添った数多くの経済対策を丁寧かつ迅速に講じてまいりました。「大田区産業のまちづくり条例」が示すように本区の強みは、我が国の産業を下支えしている高度なものづくり産業の集積地であり、また、蒲田をはじめ大森など都内有数の商業地・繁華街を擁することで地域経済の側面から地域の活性化に大きく貢献してきた「地域に根付く力強い産業力」を持っていることであります。区は現在、区政はじまって以来の大変厳しい社会経済環境に直面しておりますが、必ず新型コロナウイルス感染症を克服し元気な経済が戻ってくると確信しております。そのためにも私はまず、目下の緊急経済対策に全力を注ぐとともに、ポストコロナにおける持続可能な区内経済の実現に向けた新たな支援制度も必要であると考えております。区は大田区産業振興協会と連携して、区内事業者に寄り添った経済対策に取り組んでまいります。
 先月、1月16日に田園調布せせらぎ公園内に新たな文化施設「大田区田園調布せせらぎ館」を開設いたしました。青少年対策田園調布地区委員会にご尽力いただき、地域の中学生を対象にせせらぎ館の設計に携わった世界的建築家、隈研吾氏による講演会をオンラインで開催すると共に、区内在住画家葉祥明氏の原画展や地域団体による活動紹介事業も実施いたしました。本施設では、区として初めての取り組みが2つございます。1つは、受付カウンターでの区立図書館 所蔵資料の受取や返却などが可能となる図書サービスコーナーの設置、もう1つは、指定管理者制度を導入し公園と施設を一体的に運営し、区民サービスの向上を図っているところでございます。 今後も公園の拡張や(仮称)田園調布せせらぎ公園体育施設の整備などにより、田園調布せせらぎ公園の更なる魅力アップに積極的に取り組んでまいります。
 区内の外国人区民は、昨年4月に過去最高の25,396人となりましたが、その後、新型コロナウイルス感染拡大の影響により減少に転じ、令和3年2月1日現在、24,108人、127の国・地域の方々が区内にお住まいになっております。区は外国人区民の方々が日本人区民と同様、コロナ禍にあっても安心してお過ごしいただけるよう外国人区民、日本人区民双方にとってわかりやすい「やさしい日本語」を含む多言語による情報提供や相談業務、日本語学習支援等に努めてまいりました。情報提供につきましては現在、日本人区民との情報格差解消のため、緊急事態宣言発出に伴う各種お知らせを区や国際都市おおた協会のホームページやツイッターなどを通じ「やさしい日本語」や英語、中国語によりタイムリーに発信しております。また、海外では馴染みの薄い咳エチケットなどのマナーや各種相談窓口の情報を集約したチラシやポスターも「やさしい日本語」、英語、中国語で作成し、区施設の窓口や区内の駅、多国籍飲食店等、約160か所に配付し、外国人区民の皆様へ必要な情報が行き届くよう取り組みを進めております。相談業務については、国際都市おおた協会多言語相談窓口のほか外国人区民が多く訪れる区の窓口に13言語に対応する多言語通訳タブレットを25台配備し、外国人区民の皆様の生活相談にきめ細かく対応しております。このほか、外国人区民が安心して日常生活を送る上で必要な日本語を習得することは重要であり、その機会をコロナ禍においても確保していくため、従前の対面学習のほか、新たにオンライン学習も組み入れ「新たな日常」に対応した日本語学習教室を継続して実施しております。

 今後も「誰一人取り残さない世界の実現」という国際的な流れを踏まえ、日本人区民も外国人区民も安全・安心に暮らせる「国際都市おおた」を推進してまいります。
 続きまして、学びの支援について申し上げます。
 今年度は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、高校等給付型奨学金の拡充及び大学生等へ臨時給付を実施することといたしました。昨年12月、大学等に在学中の678人に5万円を支給させていただきました。今後、高校等に進学予定の70人に8万円を、大学等に進学予定の173人に15万円を、入学前の3月に支給し進学に不安を抱えている生徒の皆様をしっかりと支援してまいります。また、区内の福祉事業所等で活躍する方に対して奨学金の返還を減免する「人材確保型特別減免制度」を創設しましたが、令和3年度からは減免の資格要件を拡充することで、より多くの福祉人材の確保・定着につなげてまいります。さらに、クラウドファンディングを活用した「大学等進学応援基金」を設置するための条例議案を提出させていただきました。新たな給付型奨学金を創設し、進学を控えた生徒へ入学前の3月に奨学金を給付してまいりたいと考えております。これまで、大学等進学予定者への給付型奨学金は、故末吉様からのご寄附を財源に実施してまいりましたが、そのご遺志を引継ぎ、成績優秀で学習意欲の高い生徒が有用な人材として社会に羽ばたいていけるよう引き続き支援してまいります。
 次に子育て支援の充実について申し上げます。
 これまで待機児童対策を精力的に進めてきた結果、待機児童数は着実に減少してございますが、今後も引き続き、保育ニーズの変化等を踏まえて柔軟な取り組みを進めるとともに保育所への訪問支援や指導検査等により、保育の質の向上に取り組んでまいります。また、子ども家庭支援センターの相談窓口を掲載したメッセージカードを親子で一緒に遊べるおもちゃに同封した「在宅子育て応援パッケージ」を新たに転入してくる方などに配付し、相談先や支援サービスの情報をしっかりと届けてまいります。引き続き、乳幼児健康診査や家庭訪問、転入時の機会を捉えた切れ目のない子育て支援を推進し、児童虐待の未然防止に一層取り組んでまいります。
 続きまして、令和3年度予算(案)についてご説明いたします。
 令和3年度の収支見通しでございますが、昨今の経済状況に目を転じますと内閣府が1月に発表した月例経済報告では、景気は「依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる」との基調判断が示される一方、先行きについては「内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに加え、金融資本市場の変動等の影響に注視する必要」についても触れられております。このような情勢の中、歳入については、国による不合理な税制改正の影響に加え、感染症の影響などにより、一般財源は減収を見込んでおります。歳出においては、感染拡大防止に万全を期すとともにデジタル技術を活用した行政サービスの拡充や誰もが安心して暮らせる支援体制の整備、地域経済の活性化のほか、魅力ある都市づくりなどの中長期的な課題にも着実に対応しなければならないことから、今後も、歳出に対し歳入が不足する事態が見込まれております。このような認識のもと予算編成にあたっては、全庁一丸となって全事務事業の見直しに取り組み、感染症対策という喫緊の課題に総力を挙げて最優先に対応いたします。また、将来にわたり良質な区民サービスを提供するための重点的な施策を「新おおた重点プログラム」としてまとめこれを着実に進めてまいります。
 私は、予算編成上の重点課題として「新型コロナウイルス感染拡大防止対策や激甚化する自然災害に備え、区民の生命・安全を守る取組み」、「区民の暮らしや区内の経済活動を支える取組み」、「未来を担う子どもたちの教育環境を充実する取組み」、「「新たな日常」を意識したデジタル化の一層の推進や、誰ひとり取り残さない包摂的な地域づくりの実現に向けた取組み」の4つを掲げ、これらの課題に優先的に取り組むとともに、区の発展の礎となるまちづくりを着実に推進するため、効果的、効率的に財源を配分いたしました。
 令和3年度一般会計の予算規模は2,937億7千万円余で、前年度比約64億円、2.2%の増となる予算といたしました。歳入については、特別区税は、特別区民税の減収を見込んだ結果、前年度比で2.1%減の755億円、特別区交付金は、景気動向や法人住民税の交付税原資化の拡大により4%減の671億円となっております。一方、歳出では、喫緊の行政課題に対応する計画「新おおた重点プログラム」に掲げた施策を着実に推進するため802億9千万円余の予算を計上しました。

 私は、この令和3年度予算(案)によりまして感染症の危機を乗り越え、誰もが安心して暮らし、活躍できる地域づくりを推進する予算執行に努めてまいります。
 次に、令和3年度の予算(案)に盛り込みました主な事業につきまして、4つの重点課題ごとにご説明を申し上げます。
 重点課題の一つ目である「新型コロナウイルス感染拡大防止対策や激甚化する自然災害に備え、区民の生命・安全を守る取組み」におきましては、感染症対策や大規模な自然災害への着実な備えなど、区民の皆様の生命と健康を守り、安全・安心な生活が送れるよう取り組んでまいります。感染症対策は、新型コロナウイルスワクチン接種やPCR検査体制の確保、感染症患者を受け入れる医療機関への支援といった医療提供体制の確保など最優先で進めてまいります。また、東邦大学との連携により、専門的な知見に基づき区民の皆様や事業者が正しい知識を備え、「新たな日常」に向けた取り組みも進めてまいります。自然災害への備えでは、一昨年の台風被害を踏まえ、田園調布地区への水防センターの整備や六郷地区の水防資機材センターの開設など水防態勢を強化するとともに、不燃化特区を活用した取組みや耐震診断・改修の助成、公共施設や道路・橋梁などの維持・更新を図り、安全・安心なまちづくりを推進してまいります。
 重点課題の二つ目、「区民の暮らしや区内の経済活動を支える取組み」では、生活に不安を抱える方への寄り添った支援や生きがい・健康づくりなど住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる支援、区内の商店街や中小企業の事業継続に必要な支援、区内経済の回復に向けた施策に取り組んでまいります。生活支援では、生活再建のためのサポートや人生100年時代における「老い支度」の相談体制の拡充、医療的ケアが必要な障がい者へのグループホームの整備などに取り組んでまいります。区内経済活動の支援では、地域経済の担い手である商店街の販売促進への支援や受発注相談による中小企業への支援などに取り組んでまいります。さらに「(仮称)大田区環境アクションプラン」を策定し、地球温暖化対策や食品ロス削減プロジェクトなどに取り組むとともに、ポストコロナの視点から魅力あるまちづくりを着実に進め、住み続けたい都市環境の形成を促進してまいります。
 三つ目の重点課題とした「未来を担う子どもたちの教育環境を充実する取組み」におきましては、出産・育児支援や小・中学校の教育環境の整備、高校や大学等への進学支援など安心して産み育て、学びの保障と成長を支える、切れ目のない施策を展開してまいります。出産・子育て支援では、妊婦面接の予約システムの導入やこども商品券の配布、産後ケアの拡充などに取り組んでまいります。また、保育園のICT化や児童館への入退館システムの導入により、保護者の利便性を向上させるほか、情報発信ツールを拡充し、子育てしやすい環境づくりを進めてまいります。さらに、区立小・中学校には1人1台タブレット端末を利用できる環境整備やモバイルルーターの貸与、ICT教育を促進するためのアドバイザーの配置など、児童・生徒へのオンライン学習環境の整備や採点支援システムの導入による生徒の学力向上など、学びを支える環境を一層向上してまいります。加えて、給付型奨学金の拡充により、高校や大学等への進学時に経済的な不安を抱える意欲ある生徒を支援してまいります。
 四つ目の重点課題である「「新たな日常」を意識したデジタル化の一層の推進や、誰ひとり取り残さない包摂的な地域づくりの実現に向けた取組み」では、新しい生活スタイルに向けたデジタル化を推進し、多様化する区民ニーズに柔軟に対応してまいります。キャッシュレス決済の推進や、おおた区民大学などのオンライン講座の開催、図書館の電子書籍貸出サービスなど、デジタル技術を活用した行政サービスを拡充するほか、Web会議の拡充やテレワークの推進など新たな行政経営に取り組んでまいります。以上、令和3年度予算(案)の主な事業についてご説明をさせていただきました。
 本定例会に提出いたしました案件は、予算関係では先ほどご説明をいたしました令和3年度予算(案)のほか、令和2年度一般会計補正予算第8次などの予算議案が計8件、条例議案18件、その他議案2件、報告議案8件でございます。議案につきましては、いずれも後ほど上程の際、順次ご説明を申し上げますので、よろしくご審議、ご決定を賜りますようお願いを申し上げ、招集の挨拶とさせていただきます。
 ありがとうございました。

お問い合わせ

企画課

電話:03-5744-1444
FAX :03-5744-1502
メールによるお問い合わせ