平成27年第4回大田区議会定例会 区長開会あいさつ
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更新日:2015年11月30日
平成27年11月26日
本日、平成27年第4回大田区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆様のご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。冬の訪れを感じさせる遠く澄みきった青空が見られるようになると同時に、朝夕は、ひときわ冷え込むようになってまいりました。フランス時間の11月13日に、パリ市内で発生した一連のテロ事件により多数の方が死傷されました。テロは理由を問わず許されないものであり、犠牲者の方々に、衷心よりお悔やみ・お見舞いを申し上げます。
「(仮称)大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略」について、お話をさせていただきます。
平成26年11月、国は、少子高齢化を伴う人口減少と、東京圏への一極集中という2つの課題を克服し、「将来にわたって活力ある日本社会を維持」することを目標に、「まち・ひと・しごと創生法」を制定しました。同年12月には、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定し、「地方創生は日本の創生であり、地方と東京圏がそれぞれの強みを活かし、日本全体を引っ張っていく」として、国と地方をあげて地方創生に取組むことを明言しています。現時点での将来人口推計においては、大田区ではただちに人口減少を迎えることはありませんが、このまま少子高齢化が進行すれば、生産年齢人口比率は低下し、区内の経済・地域活動の縮小による区政への影響も懸念されるところです。
このような人口構成の変化を見据え、事前に対策を講じ、地域経済・社会のさらなる活性化を図るとともに、大田区の持つポテンシャルを最大限に活用して地方との共存共栄を進めることを目的として、大田区においても、最上位計画である「おおた未来プラン10年(後期)」のもと、「(仮称)大田区まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定いたします。
また、あわせてそのバックボーンとなる「(仮称)大田区人口ビション」を取りまとめていきたいと思います。総合戦略の策定にあたりましては、今後、区議会を始めとして、広く区民の皆様からのご意見をいただきながら進めてまいります。
10月25日には、羽田空港と中国・広州を結ぶ路線が新たに就航し、国際線の就航は28都市となりました。海外と羽田空港を結ぶ便は、この5年で倍増となり、1日100便を超えました。
海外から多くの訪日外国人旅行客が最初に降りる「国際都市おおた」を認識していただくため、様々な施策を引き続き積極的に取り組んでまいります。
また、第3回定例会でご報告させていただきました、国家戦略特別区域法の『旅館業法の特例』を活用した外国人滞在施設経営事業につきましては、10月14日の東京圏国家戦略特別区域会議を経て、10月20日に内閣総理大臣から認定されました。
これを受けまして、条例案提出に向けたパブリックコメントを10月下旬まで実施し、区民の方々からご意見をいただき、本定例会において、本事業の実施に向けた条例案をご提出させていただきました。
宿泊施設の不足解消や2020年オリンピック・パラリンピック東京大会を控え、外国人向けの滞在施設を確保するとともに、あらためて、区民の安全と安心、衛生面を確保できる環境の整備に向け、取り組んでまいります。是非とも議員各位のご支援ご理解をいただきますようお願いいたします。
区政の主な分野ごとに、ご報告させていただきます。
はじめに、10月に実施されました国勢調査におきましては、皆さまのご協力を得て、調査員の方から調査票などを回収していただきお預かりすることができました。厚くお礼申し上げます。今後は、調査内容を精査したうえで、東京都へ提出させていただき、将来の政策等に活かさせていただきます。
また、来年1月から利用が始まるマイナンバー制度に伴う通知が、今月中旬から、大田区内の各世帯に簡易書留で届けられているとのことです。
区といたしましては、今後、個人情報管理の徹底を図りながら、税・社会保障・防災の分野で区民の利便性向上に努めてまいります。
続きまして、観光・国際都市関連についてご報告を申し上げます。
区内最大級のイベントである、OTAふれあいフェスタ2015は今年で26回目を迎え、11月7日・8日の2日間に渡り、ボートレース平和島、平和島公園、平和の森公園、大森ふるさとの浜辺公園で開催されました。
二日目は雨天となりましたが、両日併せて24万5千人の方にご来場いただきました。
水のエリアではビッグファン平和島に新たなステージを加え、日本芸術専門学校の生徒によるお芝居やバンドフェスティバルを開催しました。
太陽のエリアでは、パラリンピック競技の体験プログラムとして日本代表選手によるブラインドサッカーや射撃の実演などの競技体験を実施し、パラリンピック競技を身近に感じていただくことができたと思います。
引き続き区民が楽しめる区内最大のイベントとして、より多くの方に大田の魅力を感じていただき、また、新たな出会いや交流の場として「地域力」の向上につなげてまいります。
開催にあたり、地域の皆様、区議会の皆様、区内の多くの企業・団体、区民の皆様に多大なる協力をいただきましたことに深く感謝申し上げます。
大田区の魅力を広く発信していくために、来月から、外国人旅行者のニーズに対応した総合的な情報発信ツールとして、大田区公式観光サイトを開設させていただきます。
日本語、英語、ハングル、中国語の繁体(はんたい)字と簡体(かんたい)字(じ)、タイ語の 6か国語で対応し、区内の誘客と回遊につなげられるように、広く海外に発信してまいります。
また、観光サイトにあわせて、公衆無線LAN(Wi-Fi)を整備して、来訪者のサービス向上を図ってまいります。JR大森駅、JR蒲田駅、京急蒲田駅といった区内の主要駅周辺、大田区役所本庁舎をはじめ、区の施設15か所に、公衆無線LAN機器を設置し、広域的に整備してまいります。
利用者は、このOta(おおた) City(シティ) Free(フリー) Wi(ワイファイ)-Fiから、大田区の観光情報や防災情報等をスマートフォンで見ることが可能となります。このような取り組みを活用して、大田区を訪れる方の利便性向上と快適性、安全・安心のサポートをしていきます。
さらに、12月11日には、京急蒲田駅直結の商業施設内に新たな観光拠点となる大田区観光情報センターをオープンいたします。
営業時間は、午前9時から午後9時までで、年中無休です。
センターの観光案内では、多言語対応による案内の他、電話・メール等の相談にも応じます。
また、センター内では、日本文化体験をはじめとした誘客事業を実施します。
さらに、展示・物販事業では、大田の工芸品等を展示するほか、おおたの逸品、お土産等、区の産品を販売します。これらの情報は、ホームページや紙媒体等を活用して、来館者誘致に向けて発信してまいります。このように、大田区公式観光サイトにより、訪日前に大田区を知っていただき、公衆無線LAN(Wi-Fi)により情報収集し、大田区観光情報センターで「おもてなし」を経験していただく取り組みを実施していきます。
産業分野につきまして報告させていただきます。10月8日・9日に大田区産業プラザで「第5回おおた研究・開発フェア」を開催いたしました。今回は全国の企業・大学・研究機関あわせて90団体が出展し、新たなイノベーション創出のために区内中小企業と活発な情報交換や交流が行われました。来場者は昨年を上回る1,865名となり、新分野参入に向けた技術・製品開発や新たなシーズ調査など、目的をもった方が多数ご来場くださいました。
今後も大田区企業が得意とする精密加工技術が多くの産業界のイノベーションに結びつくよう、新しい研究・開発のテーマを「おおた研究・開発フェア」でご紹介してまいります。
10月17日・18日には、「おおた商い(AKINAI)観光展2015」が、同じく大田区産業プラザで開催され1万人を超す皆様にご来場いただきました。
区内の商店や企業をはじめ、友好都市の美郷町や東御市、被災地からの出展、さらには屋外会場での大田市場の野菜販売など、合計141の店舗・企業・団体が出展しました。
連携イベントとして「JR・東急の蒲田駅西口では、友好都市 ふれあいひろば」「国家戦略特区に認定された さかさ川通りでは おいしい収穫祭」「商店街チケットラリー」「第3回蒲田映画祭」「東京誠心調理師専門学校・フードフェスティバル」が同時に開催されました。
蒲田のまち一帯のにぎわいが創出され、大勢の皆様に大田の魅力を楽しんでいただけたことと存じます。
福祉分野についてでございます。区の高齢者人口は、平成27年度には、約16万人を超え要支援・要介護認定者数は約3万人になりました。
今後、団塊の世代が後期高齢者入りする、10年後には、要支援・要介護認定者数は約4万3千人になると予測されております。
一方、区内の高齢者の約8割の方は、要支援・要介護認定を受けていない、いわゆる元気な高齢者で、引き続き社会の活力として活躍いただくよう、就労支援・社会参加・介護予防事業などの更なる推進を積極的に図ってまいります。
現在、健康を維持するために、運動習慣を身につける体操、栄養や口腔機能の向上、認知症の予防などについて、公園や区施設を活用して、総合的に事業を実施しております。
先般の介護保険制度の改正を受け、なお一層、介護予防事業の拡充を図るため、高齢者に身近な老人いこいの家を活用し、元気維持、社会参加、地域交流事業に取り組み、健康寿命の延伸をめざしてまいります。
高齢者が、住み慣れた地域で安心して暮らす「地域包括ケア体制」の構築に向けて、自助、共助、公助の施策を推進し、高齢者が、いつまでも健康を維持し、生きがいを持って暮らせる体制を整備してまいります。
次に、まちづくり分野についてございます。11月18日、大田区民ホールアプリコにおいて平成27年度 新空港線「蒲蒲線」整備促進 区民協議会が開催され、当日は、区民の皆様を始め、区議会議員、国会議員、都議会議員、高野 豊島区長を始めとする関係自治体及び議長の皆様など300名を超えるご参加を賜りました。多くの方から力強い御声援をいただき、新空港線に対する期待の大きさを
改めて感じたところでございます。
また、協議会においては、関西大学の 宮本(みやもと)勝(かつ)浩(ひろ) 名誉教授による新空港線の経済波及効果に関する講演があり、大田区における経済波及効果は、建設投資と消費支出を合わせ初年度1,400億円余りと算出され、この事業の高い経済効果が示されました。
応募いただいた標語・絵画の表彰式後、国への促進活動を更に進めることなどを盛り込んだ、協議会として初めての決議がなされました。
このように多くの方からのご支援とご期待をいただいている新空港線の実現に向け、私が先頭に立って推進していく所存でございます。
引き続き、新空港線(蒲蒲線)に対する御支援をよろしくお願い申し上げます。
環境清掃分野では、東京都が打ち出している東京オリンピック・パラリンピックでの活用に向けた環境整備の一環として、燃料電池車を導入しました。
走行時のCO2排出量は「ゼロ」、燃料製造から走行までを考慮したCO2排出量はガソリン車と比較して環境負荷の大幅な低減効果が期待されています。
来年2月には、大田区の池上に水素ステーションがオープン予定となっております。
車体には、アオスジアゲハの模様をあしらい、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、蝶が舞うロマンチックな空間を演出するブルートライアングルプロジェクトのPRも積極的に行ってまいります。
現在、平成28年度の予算編成に鋭意取り組んでいるところでございます。
スローガンとして掲げました「暮らしてよし、訪れてよし、地域力あふれる 国際都市おおた」を実現するために、予算編成上の重点課題として4つを設定し、特に優先的に取り組むよう、指示をいたしました。
重点課題の一つとして、「少子高齢化の進行等、人口構成の変化への対応」を掲げております。
人口構成の変化に的確に対処し、区民生活を向上させることが、区政における最も重要な課題と認識しております。
子育て支援策と元気高齢者対策や健康施策を、来年度予算の目玉として充実させてまいる考えでございます。
昨年度、待機児童対策として保育サービス定員約1,000名の拡充を図り、今年度も引き続きサービス拡充に取り組んでおりますが、平成28年度予算においても子育て支援をさらに充実させるとともに、教育の分野でも小中学校の改築新規2校に着手するなど、未来を担う子供たちの成長を育むための予算を大幅に充実させてまいります。
また、全ての高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるよう、地域包括ケア体制の構築を推進するとともに、介護予防の充実に加え、生涯現役をめざす高齢者の就労や社会参加を促す様々な支援策をさらに充実してまいります。
現在、大田区は2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、羽田空港跡地、蒲田駅・大森駅周辺地区、臨海部をはじめ区全域を、「国際都市おおた」にふさわしい魅力あるエリアとして進化させるとともに、福祉や健康、スポーツ、文化、産業、観光、まちづくりといった、区政の様々な分野の重要課題の解決に向けて、時機をとらえた施策の展開を、切れ間なく講じていくべき重要な局面を迎えております。
こうした状況を踏まえ、限りある資源を効率的・効果的に活用するため「選択と集中」を徹底するとともに、優れた先進的な手法を取り入れながら、70万区民を抱える「国際都市おおた」に ふさわしい予算を取りまとめてまいる決意です。 本定例会に提出いたしました案件は、補正予算では、平成27年度大田区一般会計補正予算(第3次)の1件、条例案14件、その他議案9件、報告議案7件でございます。
平成27年度一般会計補正予算(第3次)では、住宅リフォーム助成の増額を、第2次補正予算編成後に生じた状況の変化に速やかに対応するための予算として計上いたしました。
この結果、一般会計補正予算(第3次)の規模は、1,500万円となりました。既定の予算と合わせた補正後の予算額は、2,552億9千万円余となっております。 各議案につきましては、いずれも後ほど上程の際、順次、ご説明を申し上げますので、よろしくご審議を賜りますようお願いを申し上げ、招集のご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。
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