おおた区報WEB版 平成29年11月21日号(中央防波堤埋立地の帰属問題特集号)

更新日:2017年11月21日

<中央防波堤埋立地の帰属問題>
調停案を受諾せず、司法による解決へ

 中央防波堤埋立地の帰属を主張する大田区と江東区は、自主的な協議では解決に至らず、東京都知事に調停を申請しました。
知事が任命した自治紛争処理委員は、 調停案を両区に示し、受諾を勧告しましたが、大田区は、この調停案を合理的なものと認めることはできませんでした。
 大田区は、調停案を受諾しないこと、境界確定の訴えを提起することを、区議会の全会一致での議決を経た上で決定し、10月30日に提訴しました。
    これまでの経緯
  • 昭和48年中央防波堤埋立地の埋立てが開始。埋立て当時から、関係5区(大田区、中央区、港区、品川区、江東区)が帰属を主張
  • 平成14年11月中央区、港区、品川区が、帰属の主張を取り下げ
  • 平成28年4月から29年5月大田区と江東区による正式協議を9回開催。両区の主張は平行線
  • 平成29年7月18日両区が、地方自治法に基づく調停申請書を東京都知事宛てに提出
  • 平成29年10月16日東京都自治紛争処理委員が両区に調停案を示し、受諾を勧告
  • 平成29年10月29日大田区議会が調停案を受諾しないこと、境界確定の訴えを提起することを、全会一致で議決
  • 平成29年10月30日東京地方裁判所に境界確定の訴えを提起

東京都自治紛争処理委員が作成した調停案

東京都自治紛争処理委員会が作成した調停案
調停案では、主に次の事項を考慮し、左図の境界とされました。

    歴史的沿革としての等距離線
  • 東京湾の埋立地は、昔から、近接した区に帰属し、その区が行政権を行使してきた。 したがって、等距離線は、現在の水際線(注1)を基準として求める。
    廃棄物処分に係る貢献度
  • 中央防波堤埋立地は、都内の廃棄物の処分地として埋立てた土地。したがって、両区の廃棄物の処分の関わり方を考慮する。
    上記のほか、次の点についても、配慮するとされました
  • 中央防波堤埋立地と両区を結ぶ道路・橋梁や、社会・経済活動上の基盤となるパイプラインの状況。
  • 同一の土地利用区分の地域は同一区に帰属させる。
  • 境界線は道路、水路などの位置を基準とする。

(注1) 水際線については、大田区が調停案を不合理であると考える理由の項を参照

帰属問題の合理的な解決をめざします

 中央防波堤埋立地については、帰属問題の解決に向けて、両区の実務者による協議を重ねましたが、両区の主張が平行線であったことから、区議会の同意をいただき、7月18日に、東京都知事に調停申請をいたしました。
その後、10月16日に調停案が示され、大田区議会臨時会において、東京都自治紛争処理委員による調停案を受諾しないこと、境界確定の訴えを提起することが決定されました。
東京都への調停申請にあたっては、合理的な調停案であれば受け入れることを前提としており、このことは関係者間で確認をしております。
当区といたしましては、調停案の内容については十分分析するとともに、専門的な見地からも検討を重ねてまいりました。
その結果、受諾に値する合理的な調停案と評価することはできませんでした。
 このたびの調停案では、現在の水際線による等距離線を基準に境界を確定させており、この手法では、これまで広く埋立地を編入してきた自治体が、今後も多くの面積を編入し続けることになり、極めて不合理であると考えております。
また、現在の水際線を基礎とした等距離線を基準に境界を確定することは、司法の場においては例のないことと認識しております。
私は、72万区民を代表する大田区長として、当該係争地域の歴史的沿革を正しく評価し、境界を確定すべきと考えています。
このため、今後は、司法の場において、公正公平かつ合理的な解決をめざしてまいります。

大田区長 画像:区長サイン

大田区が調停案を不合理であると考える理由

(1) 現在の水際線からの等距離線を採用すると、これまで広く埋立地を編入してきた自治体が、今後も多くの面積を編入し続け、極めて不合理です。

不合理であることを示すイラスト。現在の港区台場や江東区青海となっている、旧13号埋立地の帰属をめぐり、昭和57年に江東区、港区及び品川区による調停が行われました。この調停では、当時の水際線を基に、それぞれの区からの距離が等しい線が引かれ、江東区7割、港区2割、品川区1割の割合で分割することとし、現在の青海が江東区に帰属することとなりました。その結果、江東区が湾の中央に大きくせり出すこととなりました。イラストでは、調停で示されたそれぞれの区の水際線と、帰属した区域が描かれています。イラストの中央に、中央防波堤内側埋立地及び中央防波堤外側埋立地が示されています。この帰属をめぐって行われた今回の調停案では、昭和57年の調停で帰属することとされた江東区青海の水際線と、大田区城南島の水際線からの距離が等しい線が引かれ、江東区9割、大田区1割の割合とする案となりました。このように、新たに帰属した埋立地の水際線から、等距離線により分割する方法は、今後も多くの面積を編入し続けることになり、不合理です。

(2) 調停案では、かつて多くの大田区民が海苔養殖を営んでいた歴史的沿革が十分に評価されていません。境界の確定には歴史的な沿革を正しく評価するべきです。

真冬の海で海苔収穫をしている写真
真冬の海に手を入れ、海苔を収穫していました。
あまりの冷たさに、手の感覚が無くなることもあったといいます。

昭和30年代の海苔養殖場
空から見た、昭和30年代の海苔養殖場。
田畑のように区画され、多くの大田区民が利用していました。

大田区の主な主張

この地域における海苔養殖の歴史的沿革

  • 中央防波堤埋立地となっている場所は、かつて多くの大田区民が、田畑のように区画された海面を占有し、海苔養殖を営んでいました。
  • 大田区は、中央防波堤埋立地となっている場所において、社会・経済生活上、圧倒的に密接な関係を有していました。

大田区空港臨海部との一体的なまちづくり

  • 大田区空港臨海部は、羽田空港と東京港を擁し、陸・海・空が結節する要として、東京の国際競争力強化を支える重要な地域です。
    この地元である大田区に、中央防波堤埋立地を帰属させ、空港臨海部の機能を一体的に活用したまちづくりを進める必要があります。
  • 大田区空港臨海部のスポーツ拠点・レジャー拠点と、一体的かつ有機的に活用し、総合的なスポーツエリアが形成できます。

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