令和7年第1回大田区議会臨時会 区長開会あいさつ

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更新日:2025年5月27日

令和7年5月26日

 本日、令和7年第1回大田区議会臨時会を招集申し上げましたところ、議員の皆様のご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 はじめに、先日、区内で発生した大規模火災についてご報告を申し上げます。去る5月23日17時頃、城南島三丁目の廃棄物処理施設において大規模な火災が発生しました。近隣の皆様におかれましては、ご不安なお気持ちを抱かれたことと存じます。火災の原因については、関係機関がこれから調査を進めてまいります。この火災では、初期消火にあたられた従業員1名が負傷されたと聞いております。負傷された従業員の方に心よりお見舞いを申し上げますとともに、長時間にわたる懸命な消火活動にご尽力いただきました大森消防署はじめとする各消防署の皆様並びに大森消防団の皆様に、深く感謝を申し上げます。
 さて、大田区を取り巻く社会経済情勢は大きな変化を続けています。少子高齢化が急激に進む中で、長期化する円安や物価高騰が私たちの暮らしや事業活動に大きな影響を与え、国際情勢に目を向けると、米国の関税措置等により不確実性が高まっており、世界経済の見通しはますます不透明な状況となっています。先行きが見通しにくい状況が続いておりますが、区を取り巻く環境の変化を的確に捉え、スピード感を持って必要な対策に取り組んでおります。具体的には、産業経済部において、国や都における特別相談窓口設置の動向を踏まえ、4月7日に産業プラザの総合窓口である「PiOフロント」を特別相談窓口として位置づけました。産業プラザ内に入居する、国及び都が指定する特別相談窓口となっている関係機関とも連携し、事業者の皆様からのご相談に、円滑に対応する体制を整備しております。引き続き国の動向を注視するとともに大田区産業振興協会とも連携し、事業者や区あっせん融資を取扱う金融機関に適宜、聞き取りを行うなど、引き続き、状況の把握に努めてまいります。 
 次に、本年3月に策定した大田区基本計画・実施計画についてでございます。まず、計画の策定にあたっては、大田区基本計画懇談会における公募区民、団体代表、有識者、区議会議員の皆様をはじめ、区民の皆様から貴重なご意見を多数賜り、改めて感謝を申し上げます。基本計画では、計画の期間である8年後に大田区が実現すべきまちの姿として、「心豊かに日々の生活を送れるまち」「機能的な都市づくりが進むまち」「デジタル技術を活用した利便性の高いまち」という、3つの具体的なビジョンを掲げました。区民の皆様と力を合わせながらこのビジョンを実現し、こども・若者からご高齢の方まで、より多くの皆様に住み続けたいと思っていただける大田区をつくってまいります。また、先が見通せない不透明・不確実な時代においても、スピード感と柔軟性を持って計画を推進するため、実施計画はそれまでの評価や区を取り巻く状況の変化を踏まえ、毎年度更新する仕組みとしております。更新にあたっては、適切な評価を行うための仕組みが不可欠であるため、この行政評価の仕組みについては本年度中に構築してまいります。そして、基本計画・実施計画を着実に推進するためには、区の経営資源を最適化し、限りある財源や人員を最大限活用することで自治体経営を安定的に持続させることが必要です。そのため、計画を下支えする持続可能な自治体経営実践戦略も合わせて策定しました。新たに定めた経営理念のもと、幅広い取組を有機的に展開し、全庁が一丸となって経営改革を推し進めてまいります。
 次に、こちらも本年3月に策定しました新たな大田区シティプロモーション戦略についてでございます。まず、本戦略の策定にあたりまして、大田区シティプロモーション戦略推進会議における関係者の皆様、そして区民の皆様から貴重なご意見を多数賜りましたこと、心より感謝申し上げます。本戦略は、特に子育て世帯を中心とした区民の皆様に焦点を当てたブランディングを行い、大田区の暮らしの情報発信を強化していくことが最大の特徴でございます。新たなブランドコンセプト「わくわくに翼を」の「わくわく」は、5つの「大田区の暮らしの提案」により、区民の皆様の暮らしをわくわくなものにすることを表しております。具体的には、「利便性が高く世界に一番近いまちで暮らす」「豊かな水辺とみどりに癒されながら暮らす」「充実した子育て環境と安全なまちで暮らす」「活気とあたたかさあふれるまちで人とのつながりを感じながら暮らす」「魅力ある文化・芸術や歴史の根付くまちで自分らしく暮らす」という5つの暮らしを提案し、地域ブランディングによる価値づくり、プロモーションによる価値の発信を行ってまいります。戦略的な取組を通じて、区のイメージや価値を高め、区民の皆様には住んでいるまちへの愛着度や自慢度を高めていただき、働く人、学ぶ人、訪れる人には他では得られない価値を感じていただくことで、定住性の向上、転入の促進及び関係人口の創出、地域経済の活性化や住民協働の醸成等につなげ、住み続けたい自治体No.1をめざしてまいります。
 次に、新空港線第一期整備事業の進捗についてでございます。1月17日に、整備主体となる「羽田エアポートライン株式会社」及び営業主体となる「東急電鉄株式会社」から国土交通大臣へ申請した「整備構想」及び「営業構想」でございますが、4月4日付けで認定されました。今後は、羽田エアポートライン株式会社と東急電鉄株式会社が「速達性向上計画」を共同で作成し、8月上旬までに国土交通大臣へ申請することとなります。また、この計画が認定されますと、第一期整備事業が鉄道事業として許可されたこととなります。区としましては引き続き、令和7年中の事業の許可に向けた支援を行ってまいります。
 次に、本年3月、「持続可能な環境先進都市おおた」の実現に向けた、新たな羅針盤として、第2次大田区環境基本計画を策定しました。本計画の検討にあたりましては、「大田区環境審議会」さらには環境行政に携わる多くの皆様方に貴重なご意見を賜りましたこと、この場をお借りし深く御礼申し上げます。「環境」分野においては、地球規模で気候変動の緩和や環境負荷の低減など喫緊の課題への対策が求められる一方、激甚化する風水害や記録的な猛暑など、区民の皆様の生活に影響を及ぼす機会が多くなっております。区では、こうした時流の変化や新たな課題に柔軟かつ機動的に対応するため、本計画において定めた、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させることを意図する、「自然再興」のほか、「脱炭素」「資源循環」という3本の軸のもと、区民・事業者・区との連携・協働をより一層強固なものとし、各施策を力強く推進することで、「環境・生活・経済」の好循環を創出してまいります。本計画の末尾には、未来の環境の主役を担う、こどもたちのメッセージを紹介しています。また、ひとりでも多くの区民の皆様が区の目指す姿に共感し、環境にやさしい行動への機運が高まるよう、アニメーション動画を公開しておりますので、皆様もご覧いただければ幸いです。
 次に、先月4月1日から、新たな資源の回収日として「プラスチックの日」を設け、区内全域でプラスチックの資源回収を開始いたしました。こちらは、区民の皆様に新たな分別をお願いするものでございましたが、多くの皆様に、前向きに受け止めていただき、円滑なスタートを切ることができました。4月の回収量は、1日平均、約13.5トンでした。5月分は、まだ途中の段階でございますが、現時点で、先月の1日あたりの量を上回っており、着実に成果を挙げております。この間、本事業の取組開始にあたりましては、区報やホームページをはじめ、案内チラシの全戸配布や区内全域での説明会、さらにはYouTube動画配信などでご案内をしてまいりました。これらの取組により、区民の皆様への浸透が進んでいる一方、先日、視察したプラスチックの中間処理施設においては、金属類や電池など、プラスチック以外の混入物も多く見られ、さらなる適正な分別が求められていることを強く実感いたしました。そうしたことから、今後は、関連企業や団体等とも連携しながら、様々な手法で、資源とごみの分別に関するルールのご案内を一層強化してまいります。また、このたびの区内全域回収の実施に伴い、プラスチックの回収車両のすべてに、GPSを搭載したタブレット端末を搭載いたしました。車両の位置情報や回収した時間、回収量などのデータを日々蓄積することで、効率的な車両台数の算出に活用するなど、環境面だけでなく財政面においても先駆的な取組となっており、他の自治体からも注目を集めております。今後も、清掃事業にDXを活用し「グリーン・バイ・デジタル」による事業展開を推進するとともに、「ごみを出さない・つくらない工夫」が日常生活や事業活動に定着するよう「持続可能な循環型社会の構築」に向けて取り組んでまいります。
 次に、大森西二丁目複合施設の開設についてでございます。工事は、第Ⅰ期の竣工予定日6月16日に向けて、最終段階に入っております。第Ⅰ期は、大森西特別出張所、区民活動施設、大森西保育園、地域包括支援センターなど6施設が入ります。各施設、開設準備・移転ののち、9月1日から9月16日にかけて、順次開設し、9月15日月曜祝日には開設セレモニーを予定しております。機能の集約により利便性の向上を図るとともに、各施設と多様な地域の皆様のお力を連携・相乗させながら、多世代の方が集い、交流する拠点としていけるよう、呼称は「大森西地域力推進センター」といたしました。更には、大森ふるさとの浜辺公園、旧東海道、商店街など多彩な魅力を有す、地域ならではのロケーションも活かし、本施設を起点とした地域の賑わいづくりにも繋げてまいります。なお、こらぼ大森の校舎は今後解体させていただき、その跡地で第Ⅱ期工事に移行いたします。工事は、まだ続いてまいりますが、引き続き、ご理解をいただきたくお願い申し上げます。次に、平和の尊さと大切さを若い世代に語り継ぐことを目的に、平和都市宣言記念事業として「平和のつどい」を開催しております。今年度も8月15日に平和記念式典を開会し、若い世代を含めた区民の皆様と共に平和の大切さに思いを馳せる機会といたします。さらに、平和祈念花火につきましては8月28日に万全な警備体制のもと実施し、来場者の皆様が安全安心に花火を楽しんでいただけるよう着実に準備を進めているところでございます。引き続き、区民の皆様とともに、笑顔とあたたかさあふれる平和な大田区が実現するよう、しっかりと取り組んでまいります。
 本臨時会に提出いたしました案件は、令和7年度一般会計補正予算(第1次)のほか、その他議案12件、報告議案12件でございます。報告議案のうち1件は条例改正について専決処分をし、そのご承認をお願いするものでございます。本補正予算案につきましては、区民生活の安全・安心を守る対策の充実に資する予算、国や東京都の動向等に速やかに対応するための予算を計上しております。 一般会計における補正予算案の規模は5億6,067万6千円となり、補正後の予算額は3,532億7,026万円余となっております。 第1次補正予算案に計上した事業から主なものをあげますと、区民の皆様が防犯機器等を購入・設置する際の費用の助成に係る経費、帯状疱疹ワクチン定期接種に係る経費等を計上しております。提出議案につきましては、いずれも後ほど上程いただいた際、順次ご説明を申し上げますので、よろしくご審議、ご決定を賜りますようお願い申し上げ、招集のご挨拶とさせていただきます。 ありがとうございました。

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