おおた区報WEB版 平成29年1月11・21日号〔トップページ・特集〕

更新日:2017年1月11日

特集

世界に羽ばたくおおたの町工場ネットワーク「仲間まわし」

 「大田区で図面を紙飛行機にして飛ばすと、3日で製品となって戻ってくる」そんな言葉で形容されるほど、高い専門技術を持つ町工場が数多く集積している大田区。それも、ただ数が多いだけではありません。技術と技術がつながり、協力してひとつの製品を作り上げる「仲間まわし」というネットワークが、世界に通じる製品を生み出しています。

【ウィルチェアーラグビー日本代表に貢献】「ローラートレーナー」

(左)佐藤佳人さん(ロンドン2012パラリンピック日本代表)/(右)ローラートレーナー(車いすのまま上に乗って使用する) 昨年、リオデジャネイロ2016パラリンピックでウィルチェアーラグビー(注釈)日本代表が銅メダルを獲得しました。その代表選手たちがトレーニングや試合前のウォーミングアップに使用した車いす用トレーニングマシン「ローラートレーナー」を開発したのが、大田区の町工場。株式会社カセダの設計を中心に、フライスや旋盤、プラスチック加工など各専門技術を有する複数の工場の仲間まわしで完成させました。設計を担当した加世田光義さんは言います。
「設計しながら、部品ごとに得意分野の加工会社を想定し、部品図にして製作を依頼していく。昔からそういう形でやってきました。もしその工場が忙しい時は別の工場を紹介してもらってという感じで、仲間まわしのネットワークはどんどん広がっていきます。しかもどの工場も自転車で行けるぐらいの距離で、何かあればすぐ出向いて直接話ができますから、微妙なニュアンスも伝えやすい。こういう環境は大田区ならではでしょうね」
 ローラートレーナーは、東京2020大会に向けてさらに改良を加えていくとのこと。皆さんの仲間まわしの力も、さらに磨きがかかりそうです。

(注釈)ウィルチェアーラグビー…四肢に障がいのある車いすの選手が出場する団体競技で、パラリンピック競技の中で唯一、車いす同士のぶつかり合いが認められています。

(左)オリオン精機製作所/(中央)ヤスエ製作所/(右)株式会社カセダ

<ローラートレーナー製造関連企業>
株式会社カセダ (大田区本羽田二丁目12番1号テクノWING大田504号) オリオン精機製作所 (同305号) ヤスエ製作所 (同301号)
有限会社アスカ産業 (同210号) イチノセ商工株式会社 (大田区西糀谷四丁目17番20号) 有限会社岡安精工 (大田区西糀谷二丁目6番10号)
佐藤製作所 (大田区仲六郷一丁目57番1号) 株式会社タイバン (大田区東六郷二丁目4番15号) 谷内製作所 (大田区西糀谷二丁目21番18号)
有限会社師岡鈑金製作所 (大田区新蒲田一丁目11番5号) (順不同)

【アフリカの農作業の向上に貢献!】「ひまわり播種機(はしゅき)」

 おおたの町工場ネットワークは、昨年アフリカのルワンダ共和国への花き生産技術等輸出プロジェクトの一環である「ひまわり播種機」(種まき機)の製造(設計は株式会社カセダ、製造はテック大洋工業株式会社)にも尽力。これは大田区・(公財)大田区産業振興協会・みずほ情報総研株式会社の三者連携による製品開発事業で、木製の壊れやすい播種機を使用していた現地の人々のニーズを踏まえ、ステンレスなどを用いた丈夫で持ち運びしやすい新たな播種機を開発しました。
 実際に使用した現地の人々からは「作業効率が格段に向上した」と喜びの声が。こうした農業関係の分野にも仲間まわしの力を活(い)かしていこうと区内企業が中心となって農業技術研究会が発足しました。

ルワンダ農地での試験状況

第21回 高度技術・技能展 おおた工業フェア《入場無料》

第21回 高度技術・技能展 おおた工業フェアおおた工業4.0 アイデアをカタチにする技術力
日時:2月2日(木曜日)から4日(土曜日)午前10時から午後5時(4日は午後4時まで)
会場:産業プラザ

製品の設計・開発や最終製品を手掛ける企業を集めた企画展示
展示の他にさまざまな講演やセミナー、イベントを開催します。
 詳細はホームページをご覧ください。

問合先:(公財)大田区産業振興協会 電話:03-3733-6126 FAX:03-3733-6496 http://www.pio-ota.jp/k-fair/21/

問合先

産業振興課工業振興担当 電話:03-5744-1376 FAX:03-5744-1528

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